【BL】お荷物くんの奮闘記
停止しかけた思考を引き戻すように、上唇に舌が触れた。口内に侵入してきたそれが、歯列に割り入って口蓋から上顎をなぞっていく。驚きに身体が跳ねたが、肩を抱く腕の強さから逃れられない。
奥に引いていた舌が絡め取られ、きつく吸い上げられる。相手の意図が読み取れず、抵抗する機会を逸してされるがままだ。
長らく口腔を蹂躙してくれた舌が出ていって、やっと解放されたかと目を合わせれば、息の触れ合う距離に居る彼はいつものからかうような笑みを浮かべていた。
「先日の、見返りの件がまだだったろう。これで、取引完了だ」
「……え、あ、はい」
いや、その、言いだしっぺはこっちだな。怒るに怒れない。あーオレのファーストキス、ってわけでもなかったそういえば。
二夜連続で男に唇を奪われる状況というのもなかなかできない体験のような気がする。知りたくもなかったが。
あまりの衝撃に、先ほどまでうだうだ考えていたことが頭からすっぽ抜けてしまった。ヴェルターはこちらの反応など気にも留めずに立ち上がり、元居た定位置に戻っていく。
これ以上話すつもりはないらしい。こんなことをした後で話す内容も恐怖なのでそれはそれでありがたいけれども。
奥に引いていた舌が絡め取られ、きつく吸い上げられる。相手の意図が読み取れず、抵抗する機会を逸してされるがままだ。
長らく口腔を蹂躙してくれた舌が出ていって、やっと解放されたかと目を合わせれば、息の触れ合う距離に居る彼はいつものからかうような笑みを浮かべていた。
「先日の、見返りの件がまだだったろう。これで、取引完了だ」
「……え、あ、はい」
いや、その、言いだしっぺはこっちだな。怒るに怒れない。あーオレのファーストキス、ってわけでもなかったそういえば。
二夜連続で男に唇を奪われる状況というのもなかなかできない体験のような気がする。知りたくもなかったが。
あまりの衝撃に、先ほどまでうだうだ考えていたことが頭からすっぽ抜けてしまった。ヴェルターはこちらの反応など気にも留めずに立ち上がり、元居た定位置に戻っていく。
これ以上話すつもりはないらしい。こんなことをした後で話す内容も恐怖なのでそれはそれでありがたいけれども。