【BL】お荷物くんの奮闘記
「魚捕ってきたんだ。……いつもユウジに食料調達してもらってたから、木の実や果物はどれが食べれてどれが食べれないのかよくわかんなくて」
「魚の毒の有無については私が確認済です。ご安心ください」
「あ、ありがとう」
海岸は目と鼻の先のようだ。少し海側へ歩いて渓谷を迂回し、東国へはあと数時間もかからないだろう。
「過保護すぎやしないか」
諸手を挙げて賛同したいヴェルターの突っ込みにはリュータがきょとんと瞼を瞬かせ、ノアはまるで聞こえていないかのように綺麗にスルーする。
促されるまま火を囲むと、リュータが隣に移動してきて焼き魚を手渡してくれた。
「食べたら火を埋めて出発?」
「だな。ああリュータ、昨日の話だけど、東国を出る頃には教えてやれそうだ」
「ほんと? ありがとう。でもおれはいつでもいいよ。無理はしないでね」
昨日も聞いたような言葉で締めくくられるそれには、曖昧に頷いておく。サバイバルじみた旅生活もだいぶ慣れたなと思いながら魚を齧っていると、ノアが声を掛けてくる。
「大賢者様。ここから先はどうやら呪いの作動範囲に差し掛かるようです」
「ノア、戻ってるぞ呼び方」
「あっ! 大変失礼いたしました。……ユウジ様、」
「できれば様付けもやめてほしいんだけど」
「それは……ぜ、善処いたします」
敬語もやめろというのはまだまだ難しいようだ。
「魚の毒の有無については私が確認済です。ご安心ください」
「あ、ありがとう」
海岸は目と鼻の先のようだ。少し海側へ歩いて渓谷を迂回し、東国へはあと数時間もかからないだろう。
「過保護すぎやしないか」
諸手を挙げて賛同したいヴェルターの突っ込みにはリュータがきょとんと瞼を瞬かせ、ノアはまるで聞こえていないかのように綺麗にスルーする。
促されるまま火を囲むと、リュータが隣に移動してきて焼き魚を手渡してくれた。
「食べたら火を埋めて出発?」
「だな。ああリュータ、昨日の話だけど、東国を出る頃には教えてやれそうだ」
「ほんと? ありがとう。でもおれはいつでもいいよ。無理はしないでね」
昨日も聞いたような言葉で締めくくられるそれには、曖昧に頷いておく。サバイバルじみた旅生活もだいぶ慣れたなと思いながら魚を齧っていると、ノアが声を掛けてくる。
「大賢者様。ここから先はどうやら呪いの作動範囲に差し掛かるようです」
「ノア、戻ってるぞ呼び方」
「あっ! 大変失礼いたしました。……ユウジ様、」
「できれば様付けもやめてほしいんだけど」
「それは……ぜ、善処いたします」
敬語もやめろというのはまだまだ難しいようだ。