【BL】お荷物くんの奮闘記
「ちょっと見てみたい気もするけど、こっから先何が出るか分かんねえしな。擦り傷と打撲程度だろうから、どうしても歩けなくなったら頼むわ」
「そっか。じゃあおれも魔法は使わないで戦うようにするから、無理はしないでね」
扉の先は妙な光――後々訊ねると精霊の欠片みたいなものらしかったが、日本人からするとどう見ても火の玉――の飛び交う緑豊かな森だった。山を抜けたようだ。
高台に出て気付いたのだが、マップ情報からして先ほど追っ手を閉じ込めた正規ボス部屋の先からもこの場所に繋がっており、一段高いこちらへは登って来れない仕様のようだった。ゲームでよくある、道を間違えて進んだら目的地は見えているのに段差があってそのルートからはゴールにたどり着けないというやつだ。
そして目的の一族が住んでいそうな怪しげな家が、一段低いあちらの道から繋がって見えた。
「……これさっきのボス部屋から行かなきゃ駄目なやつじゃねえか」
あんな散々な思いをして無駄足とは、運が悪い。それもそのはず、裏ボスレベルの魔物を倒してやっと入手できる勇者の剣なんて序盤でどう手に入れろというのだろう。考えてみれば当然であった。
「あっちの家に行きたいの?」
「そうだな。今はおまえもいるし、正規ボス部屋の方に回るか」
「ここから飛び降りようよ」
「そっか。じゃあおれも魔法は使わないで戦うようにするから、無理はしないでね」
扉の先は妙な光――後々訊ねると精霊の欠片みたいなものらしかったが、日本人からするとどう見ても火の玉――の飛び交う緑豊かな森だった。山を抜けたようだ。
高台に出て気付いたのだが、マップ情報からして先ほど追っ手を閉じ込めた正規ボス部屋の先からもこの場所に繋がっており、一段高いこちらへは登って来れない仕様のようだった。ゲームでよくある、道を間違えて進んだら目的地は見えているのに段差があってそのルートからはゴールにたどり着けないというやつだ。
そして目的の一族が住んでいそうな怪しげな家が、一段低いあちらの道から繋がって見えた。
「……これさっきのボス部屋から行かなきゃ駄目なやつじゃねえか」
あんな散々な思いをして無駄足とは、運が悪い。それもそのはず、裏ボスレベルの魔物を倒してやっと入手できる勇者の剣なんて序盤でどう手に入れろというのだろう。考えてみれば当然であった。
「あっちの家に行きたいの?」
「そうだな。今はおまえもいるし、正規ボス部屋の方に回るか」
「ここから飛び降りようよ」