【BL】お荷物くんの奮闘記
計画が台無しになるかもしれない焦りと、少しの期待が入り交じる。
「好きなの、ダイゴさんのこと」
「……どうだろうな。ろくな人間じゃなかったオレを、ぎりぎりまともなとこまで引き戻してくれたのがダイゴだ。特別な感情がないわけじゃない。けど」
よくよく見れば自分と似た顔をしている小さな手乗り師匠が、諦観じみた笑みを浮かべた。顔の作りは似ているかもしれないが、やっぱり別人だ。今の自分に、こんな表情ができるとは思えない。
「もういいんだよ、今更恋人ごっこしたって仕方ねえし。
あいつを蘇らせたかったのも、単純にあいつに一言文句言って……気付かねえうちにオレたちが色々背負わせちまってた分から、解放してやりたかっただけだしな」
別人なんだ。分かっていたその事実が、胸の内を抉っていく。
「……じゃあさ」
「へいへい、次はなんだ。手止まってるぞ」
「リュータ……あいつのことは」
「ん?」
「ウリエルのことは、どう思ってる?」
本題を口にする。師匠は黙り込んで、手を動かせとも言わなくなってしまった。
「なあ師匠。あとひとつ、頼みがあるんだけど。……リュータと会ってやれないかな」
彼は一度、この姿は他人には視認できないと言って他者と関わるのを拒んでいる。しかし、先ほど言質を取ったばかりだ。一人だけ、よりしろとして乗り移ることができる人物がいることを。
「好きなの、ダイゴさんのこと」
「……どうだろうな。ろくな人間じゃなかったオレを、ぎりぎりまともなとこまで引き戻してくれたのがダイゴだ。特別な感情がないわけじゃない。けど」
よくよく見れば自分と似た顔をしている小さな手乗り師匠が、諦観じみた笑みを浮かべた。顔の作りは似ているかもしれないが、やっぱり別人だ。今の自分に、こんな表情ができるとは思えない。
「もういいんだよ、今更恋人ごっこしたって仕方ねえし。
あいつを蘇らせたかったのも、単純にあいつに一言文句言って……気付かねえうちにオレたちが色々背負わせちまってた分から、解放してやりたかっただけだしな」
別人なんだ。分かっていたその事実が、胸の内を抉っていく。
「……じゃあさ」
「へいへい、次はなんだ。手止まってるぞ」
「リュータ……あいつのことは」
「ん?」
「ウリエルのことは、どう思ってる?」
本題を口にする。師匠は黙り込んで、手を動かせとも言わなくなってしまった。
「なあ師匠。あとひとつ、頼みがあるんだけど。……リュータと会ってやれないかな」
彼は一度、この姿は他人には視認できないと言って他者と関わるのを拒んでいる。しかし、先ほど言質を取ったばかりだ。一人だけ、よりしろとして乗り移ることができる人物がいることを。