【BL】お荷物くんの奮闘記
勇者は骨も丈夫なんだろうか。
お邪魔した古家には老人が一人住んでいた。こちらを一瞥した途端、老人は「その時が来たか」と意味深な台詞を口にして杖で立ち上がった。イベントに突入したようである。
もちろん今回はイベントに入る前に古家周辺を探索済である。庭には老人の手製なのか、菜園ができていた。こんな所に住むには確かに自給自足が必要だろうが、勇者判別アイテムを守っている一族に生活感が見て取れるとなんとも言いがたい気持ちになってくる。一人暮らしかな。
老人から家の奥に案内され、地下に入っていく。ワインセラーっぽい石造りの階段を降りた先には、いかにもな祭壇に剣が刺さっていた。
剣にも目が行きがちだが、祭壇には腕輪のようなものも嵌め込まれている。
「あれを抜けばイベントクリア? でいいの?」
「いいんじゃね。リュータ行ってこい、勇者専用スキルとか加わったら後でチェックな」
はーいと間延びした返事でリュータが剣の柄に触れる。コンクリで固めたような密着具合だった祭壇と刀身が、えい、という声とともにするりと抜けた。お見事ー、などと拍手で彼の元に歩み寄る。
「やっぱ勇者はおまえ、」
お邪魔した古家には老人が一人住んでいた。こちらを一瞥した途端、老人は「その時が来たか」と意味深な台詞を口にして杖で立ち上がった。イベントに突入したようである。
もちろん今回はイベントに入る前に古家周辺を探索済である。庭には老人の手製なのか、菜園ができていた。こんな所に住むには確かに自給自足が必要だろうが、勇者判別アイテムを守っている一族に生活感が見て取れるとなんとも言いがたい気持ちになってくる。一人暮らしかな。
老人から家の奥に案内され、地下に入っていく。ワインセラーっぽい石造りの階段を降りた先には、いかにもな祭壇に剣が刺さっていた。
剣にも目が行きがちだが、祭壇には腕輪のようなものも嵌め込まれている。
「あれを抜けばイベントクリア? でいいの?」
「いいんじゃね。リュータ行ってこい、勇者専用スキルとか加わったら後でチェックな」
はーいと間延びした返事でリュータが剣の柄に触れる。コンクリで固めたような密着具合だった祭壇と刀身が、えい、という声とともにするりと抜けた。お見事ー、などと拍手で彼の元に歩み寄る。
「やっぱ勇者はおまえ、」