【BL】お荷物くんの奮闘記
祭壇の中央が編集に入るためのアクセスポイントになっていた。
ただの石だと思っていた部分がフェイクで――天使を倒さなければ本当に石のままなのだろう――手を突っ込んだ瞬間、プラネタリウムの中のような空間に引きずり込まれた。
真上にはマンホールの穴くらいのサイズで、先ほどまで居た神殿最上階フロアが見える。
自分が中に落っこちたのを見てリュータが血相を変えてのぞき込みに来たようだが、そのまま映像が固まってしまった。
この中とあちらでは時間の流れが違うのか、それともあちらの時間が止まっているのか分からない。
どちらにせよ、ここでゲームを起動させて確認しながらの作業になる。慣れないプログラミング言語で時間もかかるだろうから、作られた時間はありがたく使っておく。
スマホのゲームスタートボタンを押して、CONTINUEの方をタップする。出てきた画面はゲーム序盤ではなく、風雷の神殿だった。
パーティメンバー四人のステータスとそれらしいドット絵が、風雷の神殿っぽい建物の最上階フロアで表示されている。マップの位置情報か何かと勝手に連動するのだろうか。
メニューの中にはステータスの他にアイテム、武器、ストーリーとある。「セーブ」が存在しないあたり少々薄ら寒い感じがしなくもない。
ストーリーの方をタップしてみる。するとノベルゲームのように、この地点までで表示されていたらしいメッセージのログが一覧になって出てきた。
そうだ、どうせならゲーム画面を師匠にも見せておこう。
「おーい師匠、勇者ダイゴのゲーム見なくていいかー」