【BL】お荷物くんの奮闘記
「じゃ、移動魔法組みつつぼちぼち戻るか」
この場所と外部では時間の流れが異なっているおかげで、移動魔法では座標設定にゆっくり時間をかけることができる。
「ユウジ、危ない!」
「うおっ!」
デバックモードの切り替えを行おうとして、リュータに引き寄せられた。たった今まで自分の居た場所に、白い渦がきらきらと輝いている。
「なんだあれ」
「……マムが、どうして」
たまにリュータや師匠の話に出てきていた、天使を管理する存在にあたる者の名が挙げられた。
天使の総大将的な偉い人なんだろうと漠然と捉えてその正体についてはろくに考えたことがなかったが、このデバックポイントに干渉できるということは。
「システムエラーを起こさせたのは、あなたたちですね」
白い渦が暗闇の中でいっそう輝き、女性の形を取った。神々しさでいえばマリア像のような雰囲気だが、発言内容がいきなり異質だ。
「……システムエラーって、なんのこと」
リュータが庇うように一歩前に出て、マムと呼んだ女性に話しかける。
「この世界には定期的にシステムの綻びを見つけ、自動修正するプログラムが必要です。しかし、同じものばかりを使っているとシステムの根幹に関わろうとしてくるものが後を絶たない。
そこで私たちは、別のサーバーから移送する形で自動修正プログラム自体の定期入替も組み込みました」
女性の言葉に寒気がした。
この場所と外部では時間の流れが異なっているおかげで、移動魔法では座標設定にゆっくり時間をかけることができる。
「ユウジ、危ない!」
「うおっ!」
デバックモードの切り替えを行おうとして、リュータに引き寄せられた。たった今まで自分の居た場所に、白い渦がきらきらと輝いている。
「なんだあれ」
「……マムが、どうして」
たまにリュータや師匠の話に出てきていた、天使を管理する存在にあたる者の名が挙げられた。
天使の総大将的な偉い人なんだろうと漠然と捉えてその正体についてはろくに考えたことがなかったが、このデバックポイントに干渉できるということは。
「システムエラーを起こさせたのは、あなたたちですね」
白い渦が暗闇の中でいっそう輝き、女性の形を取った。神々しさでいえばマリア像のような雰囲気だが、発言内容がいきなり異質だ。
「……システムエラーって、なんのこと」
リュータが庇うように一歩前に出て、マムと呼んだ女性に話しかける。
「この世界には定期的にシステムの綻びを見つけ、自動修正するプログラムが必要です。しかし、同じものばかりを使っているとシステムの根幹に関わろうとしてくるものが後を絶たない。
そこで私たちは、別のサーバーから移送する形で自動修正プログラム自体の定期入替も組み込みました」
女性の言葉に寒気がした。