恋を知らない君を【完結】

ナッちゃんを連れてやってきたのはラブホ。うちは電車に乗んなきゃいけないし駅近にはホテルがいっぱいあって便利だな~ラブホならフロントで人に会わなくても済むし!
「お風呂入っておいで?冷えたでしょ」
「ありがとうございます」
「服乾かしとく」
なんとも便利なことにフロアにランドリーがある。まあ,それ知っててここに来たんだけどさ。ついでに自分のスラックスも乾燥機に入れた。安いやつ着ててよかった。
「ハルさんは濡れてない?」
「ナッちゃん!?」
シャワールームから出てきたナッちゃんはなんと体にバスタオルを巻いただけの超エロスな格好。
「…服ないし,バスローブもそっち」
「あっほんとだ」
なんだ,誘われたわけじゃなかったのか…いや,でもやっぱり誘われてるんじゃ?
「……なんか,痩せた?」
「は?」
こないだよりすっきりしちゃってない?
「夏だからね,ちょっとは痩せたかも」
「ふうん…。手触り変わってない?」
ふわふわぷにぷにの体,結構ってかかなり好きだったんだけど。
「……確かめてみる?」
「うん」
なあんだ,やっぱりナッちゃんも乗り気なんじゃん!誘われた通りおいしくいただくことにした。
「今日は優しくしてもい?」
「……いいけど,」
「よかった」
チュ,とキスすればそれだけですごく満たされた感じがした。
首筋,胸,お腹,太もも,指先にまでキスを落としていく。ナッちゃんの全身で,触れたことがない場所がないくらい全部に触りたい。
声を出してくれないのはこの間と同じ。けど,こないだみたいに全身敏感にはならなかった。なんで?酒飲んでないから?
「…気持ちよくない?」
「くすぐったい。…そのまま続けてもいいよ」
「……」
最初よりは多少とろんとしてるけど,俺の知ってるナッちゃんはもっとトロトロになれる子だ。しかもくすぐったいってことはまだあんまり気持ちよくなってないな…?そんなんでそのままって言われてもなあ
「どうしたら気持ちイイ?」
「……」
困ったように眉が下がった。ああでもこの子こないだまで処女だったんだっけ,どうすればいいかなんてわかんないかな。
「…ひどくして」
「あ…」
ひどく。手荒く抱いていいってこと?その方が気持ちいいの?
「ドMなんだね,お前」
「っ!」
ちょーっと低い声を出せば一気に顔が染まった。ひどくされることでスイッチが入るタイプなんだ…そこからいちいち丁寧に扱うのをやめたら小さく喘ぎだした。
「っ,ふ…」
カワイイ。しかもトロトロ。…しょーがないなあ。ナッちゃんに対しては奉仕精神を持ち合わせているらしい俺は彼女が満足いくように手酷く抱いた。挿入は後ろからだし,締めはしないけどそっと首に手を回せば中がギュッとしまった。シーツを強く握りしめる手を包んであげたいけど,我慢かな。
ちょっと意地悪してやろうと思ってつながったまま体をひっくり返す。あー,最高。白い肌はピンクに染まってるし「やだ,なんで,」と小さく戸惑う反応もカワイイ。
「ヤダッ!」
「やだやだ言ってんじゃねえよ,おとなしくしな?」
目を見開いてこっちを見ている。その目は涙の膜が張っててキラキラしてて綺麗だと思った。今にもこぼれそうな目元に唇を寄せる。泣かせたいわけじゃない。気持ちよくて泣くんなら本望だけど。
そしてそのまま荒くキスした。ぐちゃぐちゃになっちゃっていいよ。どんなナッちゃんでも可愛いから。
キスを終えてその顔を見れば…トロンと呆けたようになっていた。
「っ!」
「やっ…!なんで,おっきくなった…」
「……あーもう,勘弁して」
可愛すぎるでしょ。キスでそんなになっちゃってどうすんの?
ひどく抱こうとか優しくしようとか,そんなことを考える余裕もなく無我夢中になった。
この子の全部,俺のもんにしたい。体中に俺をしみ込ませたい。俺なしじゃダメになっちゃえばいいのに。
そんなことを思っていたら,ナッちゃんの体から力が抜けた。
あ…やべ…飛んだ?
どこを触ってもびくびく反応するくせに,気を失ったらしい。
あーあ,やりすぎちゃったよ…こんなの,セックスを覚えたての中学生みたいだ。かっこ悪。
1人でサッと後始末を済ませて,乾燥させてた服を取りに行ってからナッちゃんの隣に潜り込んだ。
「やりすぎちゃってごめんね」
聞こえてないだろうけど…ごめんね。ほんとに。本当は優しく扱って大事に大事に抱きたいんだけど。
でも,どうしようもなく相性がいいことは感じていた。

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