スーゼントの怨霊
五人が出て行ってから二十日が過ぎた。
ハデスの我慢が限界を迎えようとした時、五人の男達が帰ってきた。
後ろにエクソシストが六人、ゴーストハンターが十人、総勢十六人の悪魔狩り者を引き連れて。
狩られた分、狩り返すと言わんばかりに顔を強ばらしている。

村に着いた一行は休みを兼ねてボーガンや銃の手入れをしだした。
村人達は寄ってたかり、ハンター達を英雄のようにあつかった。
それを見ていたハデスは昔を思い出していた。
まだ人間だった頃、必要以上に暴力を振るってくるエルマ教師、何度も殺そうとしてきたバッシュのクソ野郎、彼らの手のひらを返したような態度に腹を立てたハデスは自分の指を切り落とし、その指から新たな魔神を生みだした。
眉間には空に向かって伸びる立派な角。
歯はヤスリで削ったように見えるほど鋭い犬歯が光を反射する。
手首から肘の間には半扇形の刃物が外に突き出ており、拳からは一本の鉄できた細長い針の様なものが生えていた。
針といっても親指ぐらいの太さで先端がカギヅメみたいにカーブをえがいていた。
人間にオプションパーツを付け、真っ白の翼を生やした魔神の威圧感に喜びを感じた。
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