スーゼントの怨霊

二人はキノコが密集している場所を発見した。
「ナム！来いよ！敵の大群がいるぞ！」
「ハデス、これは？」
石で作られた大きな家があり、鉄の扉には無数の南京錠が取り付けられている。
周りに草はなく、キノコだけが生えていた。
「なんだろう？頑丈な扉だなぁ。」
興味を持ったハデスは南京錠を棒で叩いた。
ゴスッ。
長い間使われていなかったのだろう。
古くサビた鍵が簡単に壊れる。
「おい！楽しいぞ！ナムもやってみろよ！」
好奇心旺盛なハデスとはうらはらに小心者のナムは首を横に振り、眉をたらす。
「じゃ、見とけよ！必殺！高速切り！」
ハデスは棒で南京錠を次々と打ち落としていく。
全ての南京錠を壊し終え、ナムの方へ振り返った。
しかし、そこにはナムの姿はなかった。
「ナム～！おーい！ナム～！」
呼んでみたが返事がない。
仕方なく一人で扉を開けた。
その瞬間、中から焦げ臭い風がハデスを襲う。
「うわっ！」
あまりの臭さに顔を手で覆った。
風は少しすると弱まった。
中は照明がないのに明るい。
ハデスはゆっくりと中へ入っていった。