スーゼントの怨霊
今日はハンターを先頭に村人達が野外でハデスを待っていた。
身内や友達の敵討ち、恐怖のあまり不眠症になった者など、様々な想いを胸にハデスの苦しんで死ぬ姿を見届ける為に恐怖心を断ち切った。

陽が沈んだのにハデスは現れない。
ハンター達は今か今かと胸を高ぶらしている。

「村人とハンター諸君。お前らに警告しておく。無駄な抵抗はよせ。お前らのような凡人に俺が殺せるはずがない。」
風に乗って聞こえてくるハデスの声にハンターの一人が罵声を浴びせた。
「おい!無能悪魔!凡人かどうかテメエの体に教え込んでやる!さっさと出てこい!臆病者っ!」
「ハハハッ!その威勢がいつまで続くか試してやる。ゆけっ!フィヤンレキス!」
切り落とされた指から誕生した魔神が森を破壊しながら現れた。
魔神の移動スピードは音速の域を超え、摩擦で火だるまになってしまう。
そのせいで魔神が通った跡は綺麗に焼き尽くされ、草一つ残りはしない。
森には一本の焼け道が出来ていた。
「な、なんだ?コイツは…。」
魔神の姿に恐れをなして逃げ惑う人々。
ハンターは自分の得意とする戦闘技で魔神に立ち向かった。
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