スーゼントの怨霊
十三才の男の子は寝付けないでいた。
ハデスに殺された父から貰った懐中電灯を肌身離さず持っていた。
男の子は窓の外を照らして動物を探すのが好き。

今日もいつものように外を照らしていた。
何かがいる!
赤毛の生物がガサガサ家に入ってきた。
男の子は階段を急いで駆け下り、親代わりの老人の部屋へ。
「嘘だ…。」
老人の体のあちこちにパイプが刺さっている。
パイプからは血が滴り、青くなって死んでいた。
少年は落とした懐中電灯を拾い、老人の枕元に置いてあるハンターのボーガンを片手にリビングへ戻った。

形見の懐中電灯で部屋を照らす。
何故か明かりが赤い。
さっきの部屋で血が付いたのだろう。
外からは不気味な悲鳴が聞こえる。

窓付近を照らした時、窓にへばりついている上半身だけの老婆を発見した。
男の子は数分戸惑い、窓目掛けて矢を放った。
ガラスを突き抜け、老婆を消滅させて向かいの家に刺さった。
「やったー!ざまーみろ!」
誇らしげに懐中電灯で窓の外を照らした。
すると、天井に違和感が。
男の子が気づいた時にはすでに遅かった。
頭上から血を吐く老爺が大口を開けて降ってきた。


残り、十二人。
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