メテオ
あれから8年経って、私も高校3年生。


粋月くんとは中学、高校と同じだけど、今では全く話していない。


廊下でチラッと見かける程度だ。


別に仲が悪くなったとか、ケンカをしたとかそういうのではない。


クラスも違うし、自然と話さなくなってしまった。


私も粋月くんも、よく一緒にいる友だちは高校からだし、仕方がない。


そんな昔の思い出を考えながら、バイト帰りの夜道を1人で歩いている。


もう怖いという気持ちは全くない。


今はただ、この疲れた体をお風呂に入って癒やしたい。


ただそれだけ。


「早く夏休みにならないかな~。」


そしたら、どこかへ旅行に行けるのに。


そんな事を考えていたとき、正面から1つの光が動いていた。


何あれ、ホタル?


って、こんな所にはいないか。


心の中で突っ込みをいれている最中でも、それがだんだん近づいてくる。


そして、すれ違ったときそれが女の子だと気づいた。


手にはプリントのようなものを持っている。


似てる…。


その子が、あの日の私と重なって見えた。


そっか、小学生はもう夏休みか~。


じゃあ、今から天体観測なのかな?


羨まし~!


ふと振り返ると、いつの間にか仲良し公園を通過していたことに気づいた。

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