メテオ
「星。」


一瞬、言われた言葉が理解出来なかった。


「…ほ、星?」


「星の話だろ?」


予想外の言葉に吹き出して笑ってしまった。


ははっ、星か~!!


まぁ、そりゃそうだよね。


私を好きだと思ってたら、今頃付き合ってるって。


そんなこと、わかりきってるのに…。


少しでも期待してしまった自分が恥ずかしくなる。


「あ、もしかして名前に星があるからか?ほら、星波って星入ってるよな。」


少しドヤ顔まじりに言う粋月くんがなんだかおかしくて、少し涙が出た。


「粋月くんこそ、名前に月が入ってるなんて、今日の月みたいでキレイでいいね。」


私も気持ちを誤魔化すように名前を褒めたとき、何故か粋月が驚いた顔をしていた。


「キレイ…か。」


「うん。…どうかしたの?」


そう言うと、粋月くんは少し笑う。


「いや、別に。あはは!確かに、このまま時間が止まればいいのにってほど、今日の月はキレイだな。」


何故か悲しそうな顔をしたまま、粋月くんは空を見上げた。


もしかして、キレイNGだったのかな?


謝ろうかと息を吸ったとき、粋月くんが口を開いた。


「俺さ、宇宙飛行士になって、宇宙人と交流するのが夢なんだ。」


突然言われた言葉に、驚く私。


思わず、吸った息でむせてしまう。


「ゲホッゲホッ…う、宇宙人って、いるわけないじゃん。」


「いやいや。こんな広い宇宙なのに、逆に人間だけな訳ないだろ。どこまで宇宙があるかも解明してないってのに。」


言われてみれば、確かにそうかもしれない。


そんなことを考えるなんて、粋月くんらしいな。


あれ?


宇宙飛行士になるってことは?


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