メテオ
え!?まだあるの!?


漢字の書き取りに、算数の計算に、日記に、他にもたくさんあるのに、あと1つ!?


皆も同じで、先生に反対コールをするけど、先生には効かない。


それどころか、笑顔で私たちを見ていた。


「皆さんの気持ちも先生わかりますが、この宿題は楽しいですよ。」


そう言って、終業式の日程の横に大きく書く。


「天体観測?」


私が黒板に書かれた文字を読むと、先生が大きくうなずいた。


「そう、天体観測。つまり星の動きや位置を観察して、それをスケッチすることが宿題です。」


なんだか楽しそう。


そんな事を思っていると、隣の席の男子が手を上げた。



「先生~!夜にオレたちだけで出掛けてもいいんですか~?」


男子がそう言うと、先生は笑顔でうなずく。


「ちゃんと行き先を伝えて、危険な場所でなければ特別にいいですよ。」


それを聞いた皆は、セミのなき声に負けないくらい喜びだす。


「簡単で良かったね!」


「うん!夜に外出るなんて、ドキドキする!!」


私もなんだか嬉しくて、後ろの席の真奈ちゃんとハイタッチをした。

< 3 / 16 >

この作品をシェア

pagetop