メテオ
仲良し公園が見えたとき、入口の電灯の下に誰かが立っていることに気づいた。


その場で息を整えてから、ゆっくり歩く。


粋月くんを驚かせようとか、そういうのではない。


ただ、走ってきたなんて、すごく粋月くんに会いたかったみたいで恥ずかしかったから。


「粋月くん?お待たせ!!」


「おぉ!来たか!」


やっぱり、人影は粋月くんで、外灯の光に白い歯が反射している。


「よし!天体観測を…って何そのリュック!」


そう言いながら、粋月くんは私を見て驚いた。


「えっと、天体観測のプリントと鉛筆と消しゴムと、それからお菓子!」


パッと笑顔でリュックを見せると、あまり興味がなさそうに違う方を向いた。


もしかして、お菓子嫌いなのかな?


少しだけ落ち込みながら、リュックを背負う。


そんな粋月くんは、首に双眼鏡をぶら下げて、片手にプリントと鉛筆を持っているだけだった。


「えっと、じゃあ、さっそく天体観測をするぞ!!」


そう言って、粋月くんはその場に座り込む。


私もそれを見て、横に座り込んだ。


「そういえば、どうして今日なの?夏休みまだあるよ?」


私がプリントと鉛筆を出しながら聞くと、粋月くんは得意気な顔をした。

< 7 / 16 >

この作品をシェア

pagetop