きっと、もっと、知りたい。
「ユッキー、今日も体育祭委員なのー?」
「意外と忙しいんだね」
「つまんなーい」
次の日の放課後。
ユッキーのお友達たちが話すには、ユッキーは体育祭委員の仕事で帰りが遅いらしい。
「ていうかアヤ、ユッキーのこと好きだよね」
「…うん、好き」
その声に、ドクン、と心臓が跳ねた。
アヤと呼ばれたのは、ユッキーといつも仲良く喋っている、可愛い女の子。
「大丈夫だよ、ユッキーもアヤのこと気に入ってるし」
「いけそうだよなぁ」
「もう、やめてよ〜」
そう、だよね。
目が合ったり、少しだけ喋れたり。
それだけで浮かれてたけど、同じ学校の女の子にとってはそんなこと当たり前で。
「いいなぁ…」
「ユズ…」
元気出して、って言ってくれる友達に、眉を下げて笑った。