きっと、もっと、知りたい。


「すごい雨…!」



日直の仕事で帰りが遅れてしまったら、急に大雨が降ってきた。最悪だ。

折り畳み傘を常に持ってたのが、不幸中の幸い。




「っ、やば…」


次の駅で開いたドア。

顔をしかめながら乗ってきたのは、雨に濡れたユッキーだった。




また、体育祭委員だったのかな。

傘、持ってないのかな。

あんなに濡れてるってことは、きっと持ってないんだろう。



…どうしよう、貸す?


声かける勇気、ないけど。

このまま貸さなかったら、ユッキーは濡れて帰るの?




「うーん…」



どうしようか悩んでいると、もう私の降りる駅に着いてしまった。


ああもう、どうにでもなれ。




「あのっ」



つり革につかまっているユッキーに声をかけると、驚いた顔をして振り返る。



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