君の隣にいたいんだ。
その日は、高2になって初めての登校日だった。
『侑斗、早くー』
『待てよ、陽乃』
新学期の出会いに思いを膨らませて、
私達はいつもと同じように学校に向かっていた。
『見て、侑斗。
桜が凄く綺麗に咲いてるよ』
『そうだな』
赤信号で止まった私達は大きな桜の木々を見上げる。
『陽乃はなんで桜が好きなんだ?』
唐突に質問されて、私は少しドキッとした。
『なんで、か…。
んー…、侑斗が桜だから、かな?』
『は?なんだそれ』
『だってほら、侑斗の名字、佐倉じゃん。
桜と同じ』
『……意味がわからない』