君の隣にいたいんだ。
『ふふっ、わからなくていーの』
困惑する侑斗を置いて私は青に変わった信号を渡る。
侑斗はいつも私にたくさんのものをくれた。
幼い頃に両親を亡くした私に泣いてもいい場所をくれた。
イジメを受けていた私に立ち向かう勇気をくれた。
不安なことがあった時には満開の桜のような素敵な笑顔をくれた。
侑斗は私にとって、桜のように素敵でヒーローみたいな存在。
私はそんな侑斗が大好きなんだ。
そんなことを思い、嬉しい気持ちでいると───
『危ないっ、陽乃っ!!!』
『えっ……』
振り向く私に1台の車が突っ込んで来るのが見え、
そこで私の意識は途絶えた────。