君の隣にいたいんだ。



そして、気づいたら私は今の状態、

つまり幽霊となっていた。


「お前が死んだあの事故、居眠り運転だったんだって…」


侑斗が静かに口を開く。


「うん、知ってるよ」


私は静かに微笑む。



「俺さ…、ずっとあの時のこと、後悔してて…

なんであの時、お前を先に行かせたんだろうって…。

なんでお前の手を引いてやれなかったんだろうって……。

なんで、なんで、って…そんなことばっか考えて……」


侑斗が苦しそうに言う。


「うん、知ってるよ…。

ずっと近くで見てきたんだから」



私が死んだ後の侑斗の変わりようは誰もが心配するほどだった。


明るい性格だった侑斗は無口になり、いつしかあの桜のような笑顔も消えてしまっていた。



私の死が侑斗をこんな風に変えてしまった。

私の死が侑斗を塞ぎこませてしまった。

どうして私には侑斗が見えるのに、

私の姿は彼に見えないの…。



初めの頃は私もそんなことばかり考えていた。


< 16 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop