短編:内緒のはずの片想い
 駄目なのは分かってる。妹としてしか見られてないのも分かってる。これを伝えれば困らせるだけだっていうのも分かってる。

「ぅ、っく! 抑えられないよ……、誰か、誰か助けて……!」

 お兄ちゃんと別れて部屋に戻って、またいつものように泣く。聞こえないように、声を押し殺して。

 そのうち泣きつかれて眠ってしまったから、部屋に誰かが入ってきたことに私は気付かなかった。
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