職場恋愛
「おつかれー!いやぁなんかごめんねー!無理言っちゃってー!」

10分後、上機嫌な島田さんが到着した。


「國分さんやめるってねー。聞いた?聞いた?」


「「えっ」」


おしぼりで手を拭きながら平然と言う島田さんにも驚くけど、それよりやめるって?

謹慎処分じゃないの?


「何さーハモっちゃって。もーやだなぁ」

「謹慎じゃないの?」

ニヤける島田さんにぐいぐい聞く航。

「上が出したのは謹慎処分。
國分さんが出した答えは退職。今月で終わりだってさ」

「え…まじで?」

「まじまじ!全部署の休憩室に紙貼ってた!」

「俺ら見てないよね?」

「あ、うん、そんなのなかった」

「今あちこちで大盛り上がりだよ!
次のマネージャーが決まるまで店長代理の寺内さん?が家電のシフト作ったりするらしいけど、それも嫌なんだよね、俺」

いつのまにか頼んでいた生ビールをゴクゴクと飲みながら話す島田さん。

「いや、だって、呼び出された時、『俺が戻って来るまで今のメンバーで残っていて欲しい』って言われたんだよ?戻ってこないの?」

そんなこと言われてたんだ。


「あの人、プライドも高いけどああ見えて責任感強いからねー。逢坂追い詰めちゃったこと相当責任感じてたらしいよ」


「…2回謝られたけど…気にしてないって言ったのに」

2回も謝られたなんて聞いてない!!
いつ謝られたの!?

「それは逢坂、お人好しすぎるわ」

あ!やっぱり!
お人好しだよね。
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