職場恋愛
場所は変わってこの前の現場、エアコンフロアでひたすらいらっしゃいませを繰り返す私たち。
「すいませんトイレってどこにありますか?」
そんな私たちに声をかけて来たのは30代くらいの女の人。
どうやらトイレに行きたいのはこの人のお子さんらしい。
お母さんの足元で足踏みしていて可愛らしい。
「えっと…」
ここから1番近いのはどこだったかな…。
「右奥」
考えていると逢坂さんがこっそり耳元で教えてくれた。
「あ、ここをまっすぐ行ったところにあります」
「ふふ、新人さんね。ありがとうございます。頑張って」
2ヶ月勤務していて初めてかもしれないお客さんからの言葉に驚く私。
その言葉だけで泣きそうだ。
「荒木さん、お客様に声をかけられたら元気よくハイ!って返事をしてあげると感じがずいぶん変わるよ。それから用件を聞いて、分からなければ少々お待ちくださいませ。分かるなら今みたいに答えてあげる。ね?」
「あ、はい」
こんなに丁寧に教えてくれたのは逢坂さんが初めてだ。
1番最初に教えてくれた人は雑だったし、まさに見て覚えろ精神の人だったから。
またしばらくいらっしゃいませを繰り返していると、今度は年配の夫婦が声をかけて来た。
「普段エアコンって使わないんだけど、これからの時期、熱中症とか怖いじゃない?それで買いに来たんだけど、どれがいいのか分からなくって。オススメはどれですか?」
出た、オススメ。
使ったことないんだから分からないし!
「荒木さん見てて」
また耳元でそっと言った逢坂さん。
言われた通り逢坂さんを見る。
「担当させていただきます逢坂です。お客様、メーカーの希望などはありますか?」
「そういうのも分からないから、あなたのオススメでいいわ」
「ありがとうございます。実は、先週入ったばかりの超オススメ商品がございまして」
2年目とは思えないレベルの説明を始めた逢坂さん。
しかも入ったばっかりの商品を熟知していて呆気にとられる。
「ええ、そうなんです。部屋全体が冷えるまでに時間がかからないので、電気代を抑えることもできるんですよ」
これが、接客か。
「ありがとうございます!在庫確認してまいりますので、こちらで少々お待ちください。荒木さん、来て」
品番をメモしながら喋って、
結構な早足でずんずん歩く逢坂さんに必死で付いて行く。
着いたのはさっきの倉庫。
さっきの品番を見ながら在庫を確認した逢坂さんはそれに付箋をつけて「さぁ行くよ」と言ってまた早足で戻った。
「すいませんトイレってどこにありますか?」
そんな私たちに声をかけて来たのは30代くらいの女の人。
どうやらトイレに行きたいのはこの人のお子さんらしい。
お母さんの足元で足踏みしていて可愛らしい。
「えっと…」
ここから1番近いのはどこだったかな…。
「右奥」
考えていると逢坂さんがこっそり耳元で教えてくれた。
「あ、ここをまっすぐ行ったところにあります」
「ふふ、新人さんね。ありがとうございます。頑張って」
2ヶ月勤務していて初めてかもしれないお客さんからの言葉に驚く私。
その言葉だけで泣きそうだ。
「荒木さん、お客様に声をかけられたら元気よくハイ!って返事をしてあげると感じがずいぶん変わるよ。それから用件を聞いて、分からなければ少々お待ちくださいませ。分かるなら今みたいに答えてあげる。ね?」
「あ、はい」
こんなに丁寧に教えてくれたのは逢坂さんが初めてだ。
1番最初に教えてくれた人は雑だったし、まさに見て覚えろ精神の人だったから。
またしばらくいらっしゃいませを繰り返していると、今度は年配の夫婦が声をかけて来た。
「普段エアコンって使わないんだけど、これからの時期、熱中症とか怖いじゃない?それで買いに来たんだけど、どれがいいのか分からなくって。オススメはどれですか?」
出た、オススメ。
使ったことないんだから分からないし!
「荒木さん見てて」
また耳元でそっと言った逢坂さん。
言われた通り逢坂さんを見る。
「担当させていただきます逢坂です。お客様、メーカーの希望などはありますか?」
「そういうのも分からないから、あなたのオススメでいいわ」
「ありがとうございます。実は、先週入ったばかりの超オススメ商品がございまして」
2年目とは思えないレベルの説明を始めた逢坂さん。
しかも入ったばっかりの商品を熟知していて呆気にとられる。
「ええ、そうなんです。部屋全体が冷えるまでに時間がかからないので、電気代を抑えることもできるんですよ」
これが、接客か。
「ありがとうございます!在庫確認してまいりますので、こちらで少々お待ちください。荒木さん、来て」
品番をメモしながら喋って、
結構な早足でずんずん歩く逢坂さんに必死で付いて行く。
着いたのはさっきの倉庫。
さっきの品番を見ながら在庫を確認した逢坂さんはそれに付箋をつけて「さぁ行くよ」と言ってまた早足で戻った。