職場恋愛
病院から航の実家は意外と近くてあっという間に到着した。


こじんまりとしてるけど一般的な一軒家みたい。


「歩けるか?」


航パパは航を割れ物を扱うかのように大切そうに気遣った。


「大丈夫。歩けるよ」


対して王子様の微笑みで答えた航はどこまでもできた人間だと思う。

こんな会話をしたこともなければしようと思ったこともない。
私の家族と航の家族、ここまで違うのはなんでなのかな。



「結?」


「あ、なんでもない。お邪魔します」


ボーッとしていた私に声をかけてくれて家に招き入れてくれて微笑んでくれる。


今は彼の優しさに甘えよう。
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