職場恋愛
ご飯が完成してから1時間経ってようやく帰ってきた奏太。
もう23時なんだけど。

会社から近いはずなのにどうしてクローズから1時間もかかるのかしらね。

謎、is、謎。


「片付けてくれたの?ありがとう」


不意の笑顔に圧倒されそうになる。
けど攻める時は攻めるべし。


「遅い!」


「帰るのめんどくさくてボケーっとしてたら遅くなっちゃった」



はぁぁぁ!?
やっぱり謎すぎる。


「どんな気持ちで待ってたと思ってんの!」


「おせーなー何してんだクソ野郎だろ」


「そうだよ!分かるなら早く帰って来いや!可愛い嫁が晩飯作って待ってんだから!」


「なぁに言ってんだよ。俺が可愛いと思ってんのはガッキーだけだから」


イラッ。
突っ込むところが違う。
まだ嫁じゃないって言うところなのに可愛くないってどういうこと!?


「って、まだ食べてなかったの?先食べてよかったのに」


スーツを脱ぎながらリビングの低いテーブルに乗った2人分の晩ご飯を見た奏太が驚いた顔をした。



だって…。


「せっかく一緒に住んでるんだから一緒に食べたいじゃん」


なんて、面と向かっては恥ずかしくて言えないけど。


「なんだよ〜可愛いとこあんじゃん」


イラッ。ムカッ。


「あたしは昔から全部が可愛い」


そんなこと思ってないけど冗談でいつもこんなやり取りをしてる。
これが楽しいんだ〜。



「知ってる」


冗談なのに、すっごく爽やかな笑顔でそう言ってくれるのも分かってて、その笑顔が大好きだから。

やめられない。
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