職場恋愛
宣言通り携帯の事務所に連れて行かれてまたドキドキする。

山野さんにまで何か怒られたらどうしよう。



「あら、ゆーちゃんどうしたの?」


「山野くん、林さんって車の免許持ってるよね?」


「え?持ってるけどなんで?」


「車も持ってるよね?」


「まぁあるけど」


謎の会話を始めたお2人。


「ちょっと早めに来てもらうことはできないかな?荒木さんがすっごく困り果ててるんだよね」


って思ったら。
え。

私の話を聞いて山野さんに助けを求めてくれたの?


「ゆーちゃんどうしたの?」


「あ、あの、えっと…」


高木さんに説明したように話すとちょっとだけイラっとした顔をされてしまった。

まぁ…嫌だよね。


「あのクソ。馬鹿かよ」


ってあれ?
私に怒ってるんじゃないのかな?


「あーもしもし?今すぐ車で出勤できない?そんなの後でやるから今すぐ来て。んー。クソがクソすぎる話はまた後でするから。ん、じゃ、気をつけて。車忘れないでね」


「あの…ごめんなさい、私の仕事なのに…」


電話を終えた山野さんに謝る。


「あーいい、いい。寺内が馬鹿なだけだから。家近いから10分くらいで来ると思うよ。駐車場で待ってな」


「…本当に、ありがとうございます」


「安全運転でって言っといて」


「はい…」


かえって悪いことをしてしまったんじゃないかな。
りんちゃんさん遅番だからまだまだ時間あったのに。


周りに迷惑ばっかりかけて、私最低だな。
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