職場恋愛
30分程で到着した逢坂さんに何度も頭を下げてやっと出勤した。

急いでエアコンフロアに行くと同期メンバーの井上さんと菊池さんに睨まれたような気がした。

あのケチャップのせいで疑心暗鬼になってしまっているから申し訳ないけど、こればっかりは仕方ないよね。

私何も悪くないし!


「ちょっとお姉さん、これとこれ、何が違うの?」

「あっはい!えっと…」

これは確か…。


「お客様、こちら新人なので代わりに私が説明させていただきますね」

は…?
横取り?

一生懸命思い出して話そうとしたのに菊池さんに横取りされてイラっとする。

「あぁ、そうだったの。ありがとうね」

いやいや違う。
その人と私同期だから!

「どいて。そこに立たれるとすっごい邪魔」

今度は後ろから井上さんが体当たりしてきた。

お客さんがたくさんいるのにこの人たち何考えてるの?

ありえなさすぎ。
引くわー。


こんな人たちの近くで仕事するのは嫌だと思い、少し離れたところでいらっしゃいませコールを始めた。



「あれ?なんでいんの?全然来ないからやめたと思ってた」

今度は同期のチャラ男、鷲谷さんに話しかけられた。

2ヶ月で辞めるわけないでしょ!ドアホ!


ていうか、なんでこんなに同期が密集してるの。
島田さんでいいから先輩がいてくれなきゃやってられない。

「新人!國分さんが呼んでるよ」

せっかく離れたのに井上さんが私を呼びに来た。
國分さんに呼ばれるって絶対嫌なこと言われる気がする。

「どこで呼んでるの?」

でも、近くに國分さんの姿は見えない。


「あそこの倉庫」

は?

「インカムで流れたんだよ。インカム付けてない荒木さんには聞こえないよね」

わっ。やばい。インカム忘れた。


とにかく急いで倉庫に行ってインカム取りに行かなきゃ。




恐る恐る倉庫のドアを開けて國分さんを呼ぶけど、一向に出て来ない。

人を呼びつけといていないとかやめてよ?



バタンッ



………………もしかして、もしかする?
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