職場恋愛
side 航


朝の5時。

電話が鳴ってることに気付いて画面を見ると『島田』と書かれていた。


こんな時間にかけてくるくらいだから急用なんだろう。


「…もしもし」


『逢坂、疲れてるとこ悪い。取り寄せリスト、やっぱり真鍋ちゃんだったんだけどさ、めっちゃ泣いて吐いたりしてんのね。正直とってもめんどくさくて困り果ててるんだけど』


泣きすぎて吐くって相当だな。


「早番?」


『え?あぁ、そうだけど』


島田に頼んだの俺だしな。


『俺いるから逢坂は休んで。1人くらいカバーできる』


「いや、それはね」


『だってお前、今日出たら次8連だぞ?さすがにこたえるだろ』


「全然」


『ほんとか?無理だろ?俺だったら無理』


「大丈夫」


『…。逢坂のこうちゃん頑固だからなぁ……はぁ。途中無理になったらすぐ言えよ?やたら休み多いからどっかしら代われるから』


「ありがと」


『今度埋め合わせするから。ほんとごめん。じゃ、よろしく』



悪役に回るなんて、島田らしくないことさせちゃったな。

埋め合わせしなきゃいけないのはこっちなのに。



結も怒ってるし。

これで島田の好感度ガタ落ちじゃないといいんだけど…。
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