職場恋愛
帰りの電車、隣に座る奏太に1つ、気になることを聞いてみた。


「なんであたしが他の男と関係を持っても怒らないの?それもあたしが幸せならいいやってやつ?」


愛がないのか、愛で溢れているのか。
答え次第で奏太の思いがはっきり分かれる質問だ。


「そりゃあ、俺以外の男は下手すぎて相手にならないだろうし、今まで何十回もあったけど、結局俺のとこに戻ってくんじゃん」


え、、、。


それって愛情云々じゃなくて、ただ単に。



「…自信家なのね…………」






久しぶりに2人で帰宅すると、奏太はため息をこぼした。

何故!?



「まさかとは思うけど、別れてる間、毎食コンビニ弁当とかカップラーメン食ってたわけじゃねぇよな」


ゴミが散乱したキッチンや廊下を見て少し怒っているらしい。


「作る相手がいなかったんだからしょうがないでしょ。カップラーメン楽だし、おいしいし」


「はぁ、やっぱ無理かも。不摂生すぎて心臓が持たない」


訳の分からないことを言って出て行こうとする奏太にしがみつく。



「これからは毎日作るから!大丈夫!自分のこと大切にする!ね!」


「言ったな?一瞬でも大切にしなかったら監禁するからな」


監禁されたらそれこそ病むって。
まったくバカね。








こうして、1ヶ月と少しの一人暮らしは幕を閉じた。
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