職場恋愛
まったく、失礼しちゃうわ。
人の彼氏になんてこと言うの。ほんとデリカシーないんだから。










美味しそうなクリームパスタや骨付鳥、うどん、お刺身、茶碗蒸しなど、目に入ったものを一通り取って、席に戻った。


「お待たせしました。つり目さんも行ってきてください」


「ゆーちゃんすごい量だね」


「どれも美味しそうだったんで、つい」


デブだと思われただろうか。
間違ってないけども。

はー。本当に美味しそう。
サーモンなんて、なによこの脂ののり具合。
みんな早く来ないかなぁ。


それにしても、人が多い。
人気の旅館なんだろうか。夏休みでもないのに、こんなにいるってすごい。
あちこちで行列ができてるよ。









「先食べててよかったのに」


最後に戻ってきたつり目さんはやはりお兄ちゃん感たっぷり。
最年長だから、みんなのお兄ちゃんですね。



「乾杯できないじゃん。はい、グラス持って」


山野さんがビールの入ったグラスを手渡した。


そしてみんな揃って。


「「カンパーイッ」」


こういうの、夢だったな。
家電の仲の悪さを知ったときは絶望したっけ。

そう考えると携帯に異動になってよかったと心の底から思える。





話題は高校時代の部活についてになっていた。
< 406 / 543 >

この作品をシェア

pagetop