職場恋愛
まだまだ収まる気の無いりんちゃんさんだけど、きっと大好きなんだろうな。山野さんのこと。


私も周りから見て分かるくらい大好きをアピールしたいけど…。
……無理だね。


でも大好きなのは本当だし、別にいっか。



「はい、ぼっしゅーう。諦めて帰ってくださーい」

「はーーーうざ」


手で払われて嫌そう顔をしてるのに、どこか楽しそう。

山野さんもまた、りんちゃんさんのことが大好きでたまらないんだろうなってことがよく分かる。


なんか憧れちゃう。
私にも素敵な彼氏がいるのに。




「山ちゃーん、先風呂行ってていいー?」


玄関先から島田さんの声。
なんでか、その声も楽しそうに震えていた。

笑いをこらえてるというか。



「返せ、ブス」


「い、や、よ」


「あーそう。
俺も行く」


最後にもう1度手を出して返してもらおうとしていたけど、玉砕されてため息をつきながら島田さんの方へ行った。


「勝ったー!あたし強い」


「懲りないねぇ」


つり目さんに呆れられながらも勝利を喜んでいる姿はかなり面白いものだった。
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