職場恋愛
side 山野
深夜3時に出発してあっという間に1日が終わろうとしてる。
露天風呂から見る景色は想像より綺麗でぼーっとしてしまう。
誰にも教えてあげないけど、今回の旅行の発案者は俺じゃない。
半分は俺の意思だけど。
半分は、俺の大嫌いなあいつからの頼みだった。
國分の出勤最終日。
携帯の事務所にいやがった奴は高木ちゃんに仕事についての何かを引き継いでて、ゆーちゃんが最後の挨拶をしていた時。
まるでこうちゃんみたいに心の底から優しさ満開みたいな笑顔で。
絶対こっちのが社員受けいいだろうと思いながら見てたんだけど。
その後。
未来がゆーちゃんを送って来るねと事務所を出てからだった。
『山野』
『山野に頼める義理はないんだが』
『近いうち、逢坂や荒木を連れて旅行にでも行ってはもらえないだろうか』
『旅行じゃなくても、気分が晴れるようななにか』
『島田と仲が良いんだろう。ついでに連れ回すくらいなんてことはないだろう』
『寺内がどう思っているかは知らないが、俺は、この店を引っ張っていくには山野しかいないと思ってる』
『俺がいなくなったら、働きやすい職場を作れるんだろ?』
『これは安井には頼めない。山野だから、頼むんだ。この先、お前も逢坂も、苦しむことになる。そうなる前に、気晴らしをさせてやってほしい』
聞いた時は頭大丈夫か、と思った。
旅費が出るわけでもなく、俺がこうちゃんやゆーちゃんに何かしたわけでもない。
こいつが。全部悪いのに。
俺に押し付けて。
ふざけんなよ、って。
俺はそんなに優しくないし、プライベートにまで付き合ってられるほど暇でもない。
それなのに。
最後の最後で國分は、本来の人の良さを出してきて、本当に、心の底から嫌いだと思い直した。
『山野がリーダーをやってくれていてよかった』
行くって言ってねーのにそんな安心しきった顔すんなよ。
断れなくなるだろクソ。
だから嫌いなんだよ。
しかも高木ちゃんの前で言いやがるからここだけの話にするわけにもいかず。
現在に至るというわけだが。
まぁ、来てよかったかな。
深夜3時に出発してあっという間に1日が終わろうとしてる。
露天風呂から見る景色は想像より綺麗でぼーっとしてしまう。
誰にも教えてあげないけど、今回の旅行の発案者は俺じゃない。
半分は俺の意思だけど。
半分は、俺の大嫌いなあいつからの頼みだった。
國分の出勤最終日。
携帯の事務所にいやがった奴は高木ちゃんに仕事についての何かを引き継いでて、ゆーちゃんが最後の挨拶をしていた時。
まるでこうちゃんみたいに心の底から優しさ満開みたいな笑顔で。
絶対こっちのが社員受けいいだろうと思いながら見てたんだけど。
その後。
未来がゆーちゃんを送って来るねと事務所を出てからだった。
『山野』
『山野に頼める義理はないんだが』
『近いうち、逢坂や荒木を連れて旅行にでも行ってはもらえないだろうか』
『旅行じゃなくても、気分が晴れるようななにか』
『島田と仲が良いんだろう。ついでに連れ回すくらいなんてことはないだろう』
『寺内がどう思っているかは知らないが、俺は、この店を引っ張っていくには山野しかいないと思ってる』
『俺がいなくなったら、働きやすい職場を作れるんだろ?』
『これは安井には頼めない。山野だから、頼むんだ。この先、お前も逢坂も、苦しむことになる。そうなる前に、気晴らしをさせてやってほしい』
聞いた時は頭大丈夫か、と思った。
旅費が出るわけでもなく、俺がこうちゃんやゆーちゃんに何かしたわけでもない。
こいつが。全部悪いのに。
俺に押し付けて。
ふざけんなよ、って。
俺はそんなに優しくないし、プライベートにまで付き合ってられるほど暇でもない。
それなのに。
最後の最後で國分は、本来の人の良さを出してきて、本当に、心の底から嫌いだと思い直した。
『山野がリーダーをやってくれていてよかった』
行くって言ってねーのにそんな安心しきった顔すんなよ。
断れなくなるだろクソ。
だから嫌いなんだよ。
しかも高木ちゃんの前で言いやがるからここだけの話にするわけにもいかず。
現在に至るというわけだが。
まぁ、来てよかったかな。