職場恋愛
「ねーねー!カラオケあるじゃん!」


「いい、いい。悪趣味」


「はぁ!?全国のカラオケファンに謝って?」


「お前の歌を全国に響かせることが悪趣味なんだよ」


「あたしの美声に何か問題でも?」


「いくらでも言ってやるよクソ音痴!」


場所を変える度に喧嘩して…。
疲れないのかな…。


「採点勝負しようぜ」


どうしても入りたくないという山野さんに対して、島田さんは俄然やる気だ。


「しーまー?」


「まぁまぁ山ちゃん落ち着いて。たまにはいいじゃん。りんちゃんが下手でも、そん時はそん時」


「しま!!?あたしが下手ってどういうこと!?」


「まぁまぁまぁまぁ。採点で決めましょ。ビリの人は人数分の缶チューハイおごりで」


えぇ…私もそんな上手くないのに…。


「いや待って、みんな自信あるの?」


ここで急にビビり出したりんちゃんさん。


「まぁ俺は自信ありますけど。後は、軽音部のつり目さんと逢坂が上手いってことくらいですかね」


島田さんは車の中で上手に歌ってましたもんね…。


……って。


「航上手いの!?」


「いや、人並み!全然上手くない」


この人は謙虚だから実際のところ分かんないよなぁ…。
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