職場恋愛
「いやーうんよかったよ。同期として誇らしいなぁ」


わざとらしい棒読みで拍手する島田さんにはちょいちょいイラっとしてしまう。
わざとやってるのかな。


「次の次も逢坂の歌聴けるなんて贅沢ー」


なんでこう棒読みなの。もうちょっと感情込めてください。


「また性格悪いと思われるぞ」
「ゆーちゃんに嫌われるぞ」


山野さんとつり目さんがフォローしてくれたのに本人は苦笑して「それな」とふざけている。

やっぱり何考えてるか分かんないね、島田さんは。



「あーー!あたしビリじゃん!もーーー」



あ、忘れてた。点数で競ってたんだった。


『91』


わっ…。これ絶対航が引き上げてくれた点数だ。
私1人だったら90点行かないもん。すご。


てか。
次も私じゃん!誰かさんが割込転送したから!


「島田さん、次の曲消してください。私歌いませんから」


「うーこわっ。ほら、怒ってるよ。早く消してあげて」


別に普通のトーンで言ったつもりだったんだけど、つり目さんには怒ってる風に聞こえてしまったらしい。

まぁいっか。


「んじゃ逢坂歌おうぜ」


「いや、いい」


「俺男歌うから」


「逆」


「ええ…」


女パート嫌そうな顔してるくせに歌うんかいっ。
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