職場恋愛
side 青葉





閉店後の夜12時過ぎ、家電の休憩室で地獄が繰り広げられていた。

俺は車だからいいけど電車組は帰れねーな。



どんな地獄かというと。
今日はもう、すっごい、とてつもないくらい混んだ。
にも関わらず、売上が暇な平日よりも下だったことによって寺内がブチ切れているというもの。


家電だけじゃなくて携帯とかゲームとか、全体の売上が低いらしい。

なんでそんなに低いのかを各部署のリーダーに聞こうとしたところで、携帯の山野とこっちの逢坂がいないって思い出して、更に怒っているなう。


代わりに携帯のマネージャー、高木さんを召喚したんだけど、へなっへなしてて全然ダメ。


逢坂に関してはいてもいなくても事務所にいることがほとんどだから別にどうでもいいらしい。




寺内による尋問はゲームコーナーのリーダー、五十嵐のターンへ。


「時期的に買うものがなかったのではないでしょうか。夏も終わりに差しかかりましたし、冬の商品を買うにはまだ早い時期。下見のお客様が多かったのだと思います」


うんうん、正しいよ!パーフェクト。


「お前はどこの人間だ?ゲームに季節が関係すんのか?」


う…。痛いところを…。


「それは………」



あー、五十嵐、敗北。
1番手だった特別班の相田と携帯のマネージャー高木はトンチンカンなことを言っていたし、そろそろ寺内の機嫌もピンチ。

頼むから、もう変なことは言わないでくれ!



「……で?1番売上の低いお前んとこは?」


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