職場恋愛
なんとなく真剣な表情で話すつり目さんはこう続けた。


「まぁ、さ。ゆーちゃん1年目だし、不安になることも多いと思うけど。
俺や山ちゃんは裏切らない自信があるよ。他の人はどうか分かんないけど、面倒いじゃん?裏とか本音とか逆恨みとか。
長く関わってた高木ちゃんの裏の顔見抜けなかったのに偉そうに言うなって思った?」


いや思ってないです。


「それは色々誤算っていうかさー。山ちゃんが必死に抑えて隠してたことだろうからそりゃ気付けないって。あの人すごいから。年下だし後輩だけど実はめっちゃ尊敬しててさー。山ちゃんがいれば携帯は大丈夫だってもう確信。だからゆーちゃん大丈夫!俺もいるしりんもいるから。大丈夫だよ」


さっき泣いたことを気にしてくれてるんだろうか。
こんなに励ましてくれるなんて。
こんなに素敵な笑顔を見せてくれるなんて。


気、遣わせちゃったな。
どうしてこう迷惑かけちゃうかな。


「私は大丈夫です。さっきはちょっとびっくりしちゃっただけなんで」


「じゃあなんで………」



ちょっと強がって大丈夫って言ってみた。
だってこれ以上迷惑かけるわけにはいかないでしょ?



「私は元気ですよ。思ったより心も丈夫なので」


「だったらなんで泣きそうなの?俺の前くらい、強がんなくていいんじゃね」


ドキッ


照れているのか、そっぽ向いてそう言ってくれたつり目さんに何故だか私の胸が音を鳴らした。


そしてその言葉を聞いた瞬間にドバドバと涙が溢れてしまった。
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