職場恋愛
「まずひとつめ!!!」



高木ちゃんのビールが来て乾杯したところでりんが大きな大きな声を出した。


うるさい…。




「携帯から誰か異動になった?」


「え?そんなこと?」


拍子抜けして突っ込んでしまった。
てっきり高木ちゃんを責め始めるのかと。



「誰かいたっけ」


山ちゃんが高木ちゃんに視線を向けた。


「中くんと、荒木さんが家電に異動だよ」


「あぁ、そうだったそうだった」



まじか。中ちゃんはともかく、ゆーちゃんはなんで?まだ携帯に異動したばっかじゃね?


「へへっ、ゆーちゃん、いなくなるの」


めっちゃ嬉しそうに見えるのは俺だけ?



「お前、喜んでんの?」


違ったー。俺だけじゃなかったー。


「別に?喜ぶとかじゃないけどー」


「あんな仲良しこよしだったのに」


「あの子がその場にいると疲れちゃうだけー。旅行とか正直苦痛でしかなかった」


りん、それ本音なんだとしたら山ちゃんの前では言っちゃダメじゃない?
旅行行こうって言ってくれた本人なんだから。


「残るなんて言わなきゃよかったよ。奏太と一緒に帰ればよかった」



「それ、こうちゃんが不調だったのと関係あんの?」


「んー?あるでしょ。バッチリ。ゆーちゃん天才的だよ?全員の気分損ねさせるんだからさ」


「俺は別に…」


「つり目は黙ってなさい?」


へいへい。
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