職場恋愛
やたら長く感じた午前も終わり、お昼ご飯を食べるために休憩室に向かった。


ドアを開けて席を見渡すと真鍋さんが1人でお弁当を食べていた。


「真鍋さん、おは…」

よう………?

なんかめっちゃ睨まれてる…?


え、待って。
もしかしてもしかする…?


「荒木さん」

「な、なに?」

「なんで?」

「な、なんのこと?」


絶対航のことだ。
そりゃあみんなの王子様だもんね。
妬まれるよね。

だから公表したくないんだよ、職場恋愛って。


「荒木さん!なんで言ってくれなかったの!」

ほらね。嫉妬の塊。

「いや、だって、ねぇ」

「私のこと友達って思ってくれてないの!?
1番に知りたかったよ!」

友達って…いうか、まだそんな深い仲じゃないし…。

「ごめんね、ごめん。嫌になっちゃうよね、みんなの王子様だし…」

「はぁ!?なに言ってんの!?私は応援するって言ってるの!!!」

……………。


……………。


……………。



「!?!?!?」

「当たり前だよ!なんか、先輩たちは嫉妬とか僻みで酷いこと言ってたけど、逢坂さんにたくさんお世話になってるし、すっごく大好きなはずじゃん!
そんな人の彼女に嫌がらせするなんて、逢坂さんに嫌われるだけだし、何より私は荒木さんが好きだよ!だから、その、えっと、なにが言いたいのかな、、。
分かんないけど!私は応援するの!!」








えっと……。

「あ、あ、ありがとう」

どこまで信じていいのか分からないけど、、、。

「そんな風に言ってくれたの、真鍋さんだけだよ、ありがとう」


「酷いよ!私だけ仲間外れにして!」


今にも泣き出しそうな顔で叫ぶ真鍋さんはなんだか可愛らしかった。
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