職場恋愛
航のお家に着いて、つい2日前に来たのになぜか懐かしい気持ちになった。
それと同時に、安心感が広がる。

ここには私を責める人間はいない。

航が豹変したら話は別だけど…。



「結は適当に座ってテレビでも見てて。パパッと作っちゃうから」

「…やっぱり手伝う」

「いいのいいの。お客さんはゆっくりしてて」

「…ありがとうございます」


航のお家は2DKと、一人暮らしにしては広め。

綺麗に整頓された部屋は清潔感があって男の部屋とは思えない。

きっと綺麗好きなんだなぁ…。
潔癖じゃなきゃいいな…。




航が料理をする間、私は言われた通り適当に座ってテレビをつけた。

さりげなくお茶を出してくれるあたり、出来た人だなぁと感心させられる。


こりゃあ女はほっとかないわ。


私なんかでいいんだろうか…。


「あ、嫌いなものとか、食べれないものある?」

思い出したかのように聞いてくれる航はどこまでも素晴らしい。

「自慢じゃないけど食べ物の好き嫌いはほとんどないの」

ちょっとドヤ顔してみると、これまた楽しそうに笑ってくれる航。

「その顔…ふふ…面白い」

「そんなに笑わなくても!!」

怒ったふりをしても笑う航は太陽みたいな人だと思った。
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