飛行機雲
「消えちゃったね」
どんどん薄くなり消えていく飛行機雲を私達は言葉も交わさず、じっと見ていた。
木々の葉が風に吹かれてひらひらと落ちる。
小鳥がどこかで鳴いている。
彼と同じ場所で同じものを見て、聞いて、感じる。
この時間がすごく好きだった。
「帰ってきたらさ、またここで集合な。
色々、ホームステイ先の話とか聞かせてよ」
「いいよ。そのかわり大学のこと聞かせてよね」
次の約束に嬉しく思いながら、早く彼に追いつきたい気持ちが募る。