ヘップバーンに捧ぐ
「あのー、


でっ?」

こいつ何だ?
社会人なら、自己紹介
基本だろうがよ
申し遅れしました、ほほほって。

しかも、何?
専務の婚約者っ?

はっ、それが何だよ
私に言って、何がしたいんだよ
私、関係ないし!

『でって、あなた

翔駒さんに色仕掛けで
迫ってるんですって?

嫌だわぁ
親御さんがしっかりされた方じゃないと
貴方のように、色仕掛けで、
男性にアピールしなきゃ
気づいてもらえない人に出来上がって
しまうんですねぇ




翔駒さんが、迷惑がっていますので
今後一切、
近づかないでくださいます?』

「内の両親のことを
とやかく言う前に、ご自身のご両親の
心配されたら如何です?

公衆の面前で、
自分が何を発言しているのか
その発言が、その場に応じたものなのか
思慮判断できない子に育てたご両親を」

何その、あんぐり口。
こっちは言い返して来ないと思ってんの?


「しかも、
私が迫ってる?ははっ、
ご冗談がお上手なようで。

迫られて困ってるのはこっちです。
私の平穏な日常が侵食されて困ってるのはこっちですよ。

そうは言っても、
迷惑だってことを専務ご自身が、
直接言いに来ないと言うことは
恐らく、貴方の独断での行動でしょう?

あの人は、痴話ごとに
自分の伴侶に解決させる人じゃありませんよ。

百歩譲っても、橘さんが
動くと思いますよ。

違いますか?」

お嬢様?
一般庶民舐めんなよ


『私の独断では無いわ!
翔駒さんから直々に頼まれたのよ!
あの女が邪魔だから
君から、離れるように言ってくれって。

それに………』

「あっそうですか。
んじゃ、帰ります。お疲れ様でした。」

興味ないね
何となくだけど、翔駒さんは
そんなことする人じゃ無いと思う。
私が邪魔なら、専務室に呼ぶことは
無くなるはずだ。

だったら、大好きなんてメール
送って来ないはずだ


『貴方、待ちなさい!
怖気付いて、逃げるのね?

だったら、最初から
そうすればいいものをだい「あのー
私のチャームポイント二の腕に
貴方のお綺麗な凶器のような
お爪刺さってますけど………

刺してるんですか?
だったら、警察このまま行きます?
ここ、会社の前ですよ?
視力大丈夫ですか?みんな見てますよ?

無言は、肯定ですね?
でしたら、行きましょう!」

警察様様。
勢いよく、離してくれましたよ
さっきから、人が見てるから
早く離れたかったのに
もぅ、知らない

『このままで、済むと思われないことね

覚えてらっしゃい!』

鬼瓦権蔵ここに現る。
最後の捨て台詞。
ケンカ弱い、チンピラか!








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