ヘップバーンに捧ぐ
あとは、お互いの近況を話し合って
朝も早いからと、頃合いを図って
楓との交信を切った。

『とにかく、設楽が接触して来たら、
ちゃんと報告してね?
あと、お盆にそっち帰るから
会おうよ?いいね?」

早口だったけど、
専務の婚約前の遊びたい盛りの部分が
やけにリフレインする。


設楽は接触して来ないと思うけど、
私が、ASAKURAにいるって知らなかったのか?
恐らく忘れているんだろう。

それどころじゃない。
問題は、東洞のお嬢様である。
実に悪いことをしてしまった。
何にも知らないくせに、
しゃしゃり出てしまった。
お詫びのしようもない。
あーもう、考えてもくやまれる。
次会ったら、謝罪しよう。
次会うのか?
わからん、取り敢えず寝る

スマホの田所さんさんがまた震えた。

2通、メールが来ていた。

1通は、戸籍上の父親から。


2通目は、専務からだった。



両方とも、無視をした。
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