ヘップバーンに捧ぐ
こちらの行動は、決して悟られないよう慎重をきっした。

咲良ちゃんの周りでは、九重差し金の悪いお仲間が動いていた。
だが、悉くつぶさせて頂いた。

悪いお仲間がなかなか結果を出さないので、
しびれを切らして、東洞 理沙子は自分で動き出した。
これが、最大の墓穴を掘ることになる。



お盆休みを目前にして、海外出張に行くことになった。
行先は、オーストラリア。
オーストラリア在住の、デザイナーに会うためであるが、
三波夫妻に会いに行く為でもあった。

久しぶりの三波夫妻に会い、
お互いの近況等話が尽きなかったが、
近況を話に来たわけではない

咲良ちゃんの安全は確保されていること。
オーストラリアから帰ったら、咲良ちゃんに思いを伝えること。
三波夫妻にも、お盆の間日本に帰って来て頂いて、
一緒に紗英さんのお墓詣りに行きたいということ。


三波夫妻は、咲良ちゃんの無事がわかるとホッとしていた。
現地スタッフと相談して、何とかお盆休みを取得してくれた。

俺が、咲良ちゃんのことを愛していることは三波夫妻にはすでに、話していた。


結婚して家族になりたいことを伝え、
咲良ちゃんが認めてくれたら良いと2人の了解は得ていた。

準備は整い、あとは日本に帰るだけとなった。
もう直に、すべてが解決する。

そこに、咲良ちゃん付きの護衛から連絡があった。

『申し訳ありません、ボス。
東洞が、東京で三波さんに接触しました。
東洞が三波さんの腕をつかんだ際、腕に軽い傷を負わせたようです。』
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