ヘップバーンに捧ぐ
怪我させただと?


あの女、ただじゃおかねぇ


護衛から、今日の出来事の詳細を説明させた。

『東洞は、自分はボスのフィアンセだ
美波さんがボスに色仕掛けで迫っている
邪魔だから、ボスに近づくなと
言い張りましたが、
美波さんは、自分の伝言に女を使わない
ましてや、痴話ごとに女を使う人じゃない
もし本当に迷惑で顔も見たくないなら
橘さんをメッセンジャーに寄越すだろうと
毅然と、言い返していました

東洞もここまで言い返されるとは
思わなかったのか、面食らってました
これ以上用はないと美波さんは
立ち去ろうとしたところ、東洞が
彼女の腕を掴んだのですが、
爪が長すぎて、
美波さんの腕に食い込んでました

それでも、美波さんはひるむ事なく
対峙していました

結局、東洞は安物のチンピラのような
捨て台詞で去って行きました』

「ハハハハハっ、
すまない、報告の続きを」

『その後、東洞は設楽 涼介に接触しました
今、九重邸に二人とも入って行きました

美波さんは、駅ビルの居酒屋にいらっしゃいます
引き締め、警護に当たります

本日は、大変申し訳ございませんでした』

「次はないと思え。
いいな?」

『了解いたしました、肝に銘じます』

「そこでいい。
俺が帰るまで、しっかり見張って置くように」

設楽は、咲良ちゃんの元カレと言う忌まわしい
存在だか、それ以上に九重のコバンザメである。
東洞の悪いお友達のうちの一人だ。
咲良ちゃんに
何が何でも復縁を迫ると言う計画のようだ。

なんせ、奴は馬鹿すぎて、話にならなかった。
自分のプライベートをツイッターで
世間に晒しすぎている。
設楽は、監視するまでもなく行動が逐一わかる

設楽のことは、既に手を打ってあるので
お盆明けから、うちで働く事になっていたが
そんな予定は、今後一切ない




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