ヘップバーンに捧ぐ
「……何度言ったら、わかるんです。
名前で呼ばないで下さ『さー、お昼ご飯にしよう。辰前亭の親子丼とカツとじ丼、プルコギ丼が、あるよ!
どれにする?』
「……人の話、聞いて下さぃ。
あと、毎日毎日、
一社員の私をお昼のお供に呼ばないで下さい。
あなた、専務ですよ!
もっと、責任ある行動して下さい。
取り敢えず、誰か側にいてほしいなら、
橘さんか、秘書室のお美しい方々が
いるでしょ!」
「咲良ちゃんから、
男の名前を聴きたくないなぁ。
僕は、咲良ちゃんと
お昼ご飯食べたいの!
本当は、僕が一番に咲良ちゃん迎えに行きたいのにさぁー、
橘のヤツの、迎えに行かしてくんないの。
ひどいよねー、ひどいよねー、
ひどいよねーッ』
「分かりました。
明日から、休まず働いていただける
と言うことですね。
でしたら、この資料から、急ぎ判をお願い致します。
そのあとは、田野島会長とお会い頂きます。そして、」
「………橘、ごめん。
もう言いません。」
「お分かり、頂いているなら
結構です大体、」
このやり取りは、長くなる。
よし、今だ!
突然出会ってしまった、熊から
逃げるごとくそーっと、退散しようとした矢先、
「今日は、特別麦味噌汁つけてもらったのになー
どこ行くのかなー
午後から、やる気出なくなるなー
全社員の生活かかってるのになー
それでも、行っちゃうのかなー』
「……今日だけですよ、
昨日も、一昨日も言いましたけどね!
麦味噌汁気になるので、特別です。
プルコギ丼下さい!」
そうして、またランチタイムが始まった。
皆様、もうお気づきです?
私のフルネームバレましたね、
美波 咲良です。
以後、お見知り置きお。
そして、この馬鹿男は
(株)ASAKURA専務取締役
麻倉 翔駒氏31歳。
ご察しの通り、
我が社 代表取締役社長 麻倉 荘次郎氏の
ご子息にあらする。
日本で最高峰の大学を、
首席で卒業後、MBA取得し
去年まで、海外支社の勤務だったが
会長である麻倉 聡智氏の命で、
専務取締役になった。
怖いほど整い過ぎてる容姿、183㎝の身長、学歴、3高なんてもんじゃない。
そんな彼を、
世は放っておくはずがない。
今日も、専務室の外で、
列をなして、秘書室のお姉様方が
専務のお出ましを首を長くして
待っているはず。
それも、私の胃を痛くさせる要因の一つであるが、この男には辟易している。
毎朝、
『おはよう、今日も元気?
咲良ちゃんと同じ空気を吸えてるなんて、なんて良い朝じゃないか!』
と内線がなり、
『咲良ちゃんがいないと
食事進まないもん!』
と私の貴重なお昼ご飯の時間を奪われ、
挙げ句の果てに、
『僕のお嫁さんになるのは、
咲良ちゃんだけ!』
と大声で、叫ぶ、とんでもないヤツだ。
全社員よ!
貴方達の生活は、私の日々の犠牲の上成り立っているのよ!
名前で呼ばないで下さ『さー、お昼ご飯にしよう。辰前亭の親子丼とカツとじ丼、プルコギ丼が、あるよ!
どれにする?』
「……人の話、聞いて下さぃ。
あと、毎日毎日、
一社員の私をお昼のお供に呼ばないで下さい。
あなた、専務ですよ!
もっと、責任ある行動して下さい。
取り敢えず、誰か側にいてほしいなら、
橘さんか、秘書室のお美しい方々が
いるでしょ!」
「咲良ちゃんから、
男の名前を聴きたくないなぁ。
僕は、咲良ちゃんと
お昼ご飯食べたいの!
本当は、僕が一番に咲良ちゃん迎えに行きたいのにさぁー、
橘のヤツの、迎えに行かしてくんないの。
ひどいよねー、ひどいよねー、
ひどいよねーッ』
「分かりました。
明日から、休まず働いていただける
と言うことですね。
でしたら、この資料から、急ぎ判をお願い致します。
そのあとは、田野島会長とお会い頂きます。そして、」
「………橘、ごめん。
もう言いません。」
「お分かり、頂いているなら
結構です大体、」
このやり取りは、長くなる。
よし、今だ!
突然出会ってしまった、熊から
逃げるごとくそーっと、退散しようとした矢先、
「今日は、特別麦味噌汁つけてもらったのになー
どこ行くのかなー
午後から、やる気出なくなるなー
全社員の生活かかってるのになー
それでも、行っちゃうのかなー』
「……今日だけですよ、
昨日も、一昨日も言いましたけどね!
麦味噌汁気になるので、特別です。
プルコギ丼下さい!」
そうして、またランチタイムが始まった。
皆様、もうお気づきです?
私のフルネームバレましたね、
美波 咲良です。
以後、お見知り置きお。
そして、この馬鹿男は
(株)ASAKURA専務取締役
麻倉 翔駒氏31歳。
ご察しの通り、
我が社 代表取締役社長 麻倉 荘次郎氏の
ご子息にあらする。
日本で最高峰の大学を、
首席で卒業後、MBA取得し
去年まで、海外支社の勤務だったが
会長である麻倉 聡智氏の命で、
専務取締役になった。
怖いほど整い過ぎてる容姿、183㎝の身長、学歴、3高なんてもんじゃない。
そんな彼を、
世は放っておくはずがない。
今日も、専務室の外で、
列をなして、秘書室のお姉様方が
専務のお出ましを首を長くして
待っているはず。
それも、私の胃を痛くさせる要因の一つであるが、この男には辟易している。
毎朝、
『おはよう、今日も元気?
咲良ちゃんと同じ空気を吸えてるなんて、なんて良い朝じゃないか!』
と内線がなり、
『咲良ちゃんがいないと
食事進まないもん!』
と私の貴重なお昼ご飯の時間を奪われ、
挙げ句の果てに、
『僕のお嫁さんになるのは、
咲良ちゃんだけ!』
と大声で、叫ぶ、とんでもないヤツだ。
全社員よ!
貴方達の生活は、私の日々の犠牲の上成り立っているのよ!