ヘップバーンに捧ぐ
夜通し、ciliegiaで話明かし
両親は
『翔駒さん、これからも娘のこと
心からお願い致します

娘の幸せの隣にいつもいてやってください
お願い致します』

そういい頭を深々と下げた。

翔駒さんも真剣に頭を下げ
『娘さんを僕にください
娘さんの人生全てに関わらせてください
こんなに愛せる女性はこの先現れません
どうかお願いします』

と朝日に包まれながらの
厳かな儀式のような空気に包まれた。

両親は、今年は8月末迄日本にいる
と言ってくれ、明後日紗英ちゃんの御墓参りも
一緒に行こうと言ってくれた

今年の約束は悲しく無い
楽しみでいっぱいだ

そして家に帰ろうとしたがお母さんが
『先に家で待ってるから、後でゆっくり
帰ってきていいわよ!♡』
と謎の発言をした。

私も一緒に帰ると言おうとしたら

『涼子さん、ありがとうございます
必ず、今日中には咲良さん送りますから
ご心配なく』

何言ってんだこいつ………

『後は、御若いお二人で〜〜♡
ほらっ、あなた行くわよ!』

とお父さんを引っ張って、帰って言った。

「あのー、翔駒さんと帰ったら如何です?
完徹ですよ?」

『あのね、お母さんは気を遣ってくれたの
察しなさいな

せっかく咲良ちゃんの彼女になったばかりなのに
それじゃぁ帰りますって寂しいのなんの』

「そりゃ、一緒にいたいとは思いますが
このところ、出張やら九重部長の事で
お疲れでしょう?体休めてください」

それは本当に思う。
紗英ちゃんも、仕事明けに死んでしまった
もう誰も無理して欲しくない

『だったらさ、俺ん家で、一緒に寝てくれる
ここから、近いよ?』

「それとこれとは違います。
ちゃんと一人で自宅に帰って、寝てください
これから、翔駒さんの時間があれば
いつでも会えるんですから」

『咲良ちゃんさ、なんかやらしいこと何考えてる?
ご期待に添えず、ごめんねー
でも、咲良ちゃんがやらしい事したいなら
それはそれで…「全くそんなこと考えてません!!!」ならさ、俺ん家でコーヒー淹れてくれない?咲良ちゃんの淹れてくれたコーヒー久しぶりに飲みたいんだけど』

私一人、アワアワしてる
いつもはこんなに慌てないのに
おかしいな自分
でもコーヒー淹れるのは密かな私の特技だ。

「わかりました。コーヒー淹れさせていただきます!」

何となく、乗せられてる感じも否めないけど
それはそれで良しとしよう



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