ヘップバーンに捧ぐ
現在時刻、18時30分

翔駒さんは電話がかかって来た。
私は、席を外そうとしたが、
ガッチリコシヲホールド。


電話中翔駒さんは
私の髪をクルクル指に巻きつけて遊んでいた。
突っ込むのは、今日はやめておこう。
電話しながら、横抱きにされている。
突っ込むのは、今日はやめておこう。

そんな時、田所さんにメッセージが入った。
相手は、楓だった。

【久しぶりの東京ぅー!】

【お帰り(´༎ຶོρ༎ຶོ`)】
【今どこ?ご飯食べない?】

【ごめん、先約ある】
【何々男?】

【こら!無視すんな!】


【 彼氏といる】

[楓さんからの着信]
「もっ『咲良ー!えっどう言う事?この間Skypeした時いないって行ってたじゃん!』

「そうなんだけど、、昨日ね」

『誰よ?私の咲良に手を出したの誰よ!』

「その言い方、誤解うむよ?
相手はね、朝倉翔駒さん」

『はぁっ?専務?あんた何行ってんの?
専務って、あの遊んでる専務?
何考えんの?やめさいそんな男!』

「違うの、楓が大阪で見た専務は偽物なの!」

『そんなことあるわけないでしょ!
あんた騙されてるの!』

「本当なんだってば!どうしたら信じてくれ
『今晩は、石原 楓さん。
朝倉翔駒です。初めまして。
君も、大阪で偽物見た子なんだね?
ちょうどよかった。
よかったら何処かで待ち合わせませんか?』

『分かりました。駅ビルの〇〇って居酒屋で
今から、1時間後で』

翔駒さんは電話切ってしまった。

「ちょっと翔駒さん!」

『咲良の友達は、俺が本当に東洞と婚約する
って思ってるんだろ?だから、反対してるんだよな?
ならなおさら事実を知ってもらった上で、
俺を咲良にふさわしいと認めてもらわないとね
しかも、昨日は俺が一方的に偽物の事言ったから
咲良だって、不安ないの?証拠見たくない?』

「確かにそうですけど、そこまでしなくても大丈夫です。私は翔駒さんを信じますから」

『嬉しい。ありがとう。でも不安材料は消しておかないか?石原さんと疎遠になってしまうかもよ?俺も、自分の集めた証拠が正しいか最終確認したいからさ』

「ありがとうございます。」

楓の約束までは、時間がない。
待ち合わせ場所は、私が大好きな
駅ビルの居酒屋でここから近い。
しかし、着替えがない。
一旦取りに帰らないと
そう思ってると、翔駒さんが
クローゼットから一着のワンピースを出して来た。

「????」

『これ来て、早く行かないと遅れる』

「もしかして、このワンピース
ルームウェアと同じ時に用意してくれたものですか?」

『…………早く着て、いこう』

照れてる、翔駒さん。
なんだかかわいい。

それから急いで、用意して、待ち合わせの居酒屋に向かった。
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