〈完〉最初で最後の初恋
先生、私
先生に言ったよね?
『先生のこと好きになってもいいですか?』
って。
先生は笑って私の言葉を流したよね。
結構、緊張したんだよ?
顔には出さないようにしてたけど。
あの頃の私は先生が全てだった。
先生のこともっと、もっと知りたくて
色々、先生に聞いたけど
全然、答えてくれなかったよね?
好きな食べ物も、好きな芸能人も
好きな色も、好きな音楽も。
私、いろんな人に聞いて回ったんだよ?
前の私の性格では考えられなかった。
知った情報で先生に振り向いてもらえるように沢山、努力した。
先生は甘いものは食べれることを知って
修学旅行のお土産は甘いものばっかり渡した。
先生はこんなにいらないよ
って言いながらも喜んで全部、食べてくれたよね?
私、嬉しかった。
こんな小さなことなのにすごく嬉しかった。