〈完〉最初で最後の初恋
そんなことがあって現在に至る。
私は最後の告白を先生にしようと思う。
夜。私は先生を初めて待ち伏せした。
先生が帰るところを見計らって
最後の告白をしようと思う。
そんな決意を固めていたら
「リホちゃん…?」
『先生?』
「なんでこんな夜に1人でいるんだ?」
『私、先生に言いたいことがある』
「その前に、先生から…いいか?」
私は頷いた。
「塾、やめるって本当か?」
私は黙って頷いた。
「何でだ?」
『他の塾に通うことにした。』
嘘。私は先生に初めてウソをついた。
「…俺のせいか?」
私は大きく横に首を振った。
「教え方が悪かったか?」
私はもっと横に首を大きく振った。
『先生に聞いて欲しいことがあるの』
私は真剣な声で言った。
先生は喋るのをやめて私の真剣な目を見た。
『私は先生に最初で最後の初恋をしました。
先生…私は好きになってもいいですか?』
「もしかして、俺に好きになってもらいたくて塾、やめるのか?
それなら『違うの!』
『それは違う。
先生、私が塾をやめた理由とかそんなこと考えないで!
純粋に答えて欲しい。』
「ごめん、無理だ…」
『わかった。
先生、今までありがとうございました。
幸せでいてください』
私は走って先生の元を離れた。